ノーコードツールBubbleの開発事例やメリット・デメリットについて

 

今回はDX化・システム化を図る上で、「Bubbleというノーコードツールがありますよ」ということで、Bubbleというノーコード開発ツールをご紹介したいと思います。

Table of Contents

ノーコードツールによるアプリケーション開発

Bubbleについての紹介をしてゆく前に、そもそもノーコードとは何かという所からご紹介いたします。

WebサイトやWebアプリはソースコードやプログラムを書いて動作するように作って行きます。ノーコードとは、それらを入力しないでwebサイトやアプリを作ることが出来るサービスのことをいいます。

例えば、これまではバナーや入力フォームなどを設置する場合、コードを書いていましたたが、ノーコードでは既にそれぞれのツールが用意されていますので、それらをドラッグ&ドロップで組み立てていく仕組みです。

さらに、ノーコードツールを使えば、サーバーやプログラミング言語といった分野に特化した専門知識が無くてもシステム開発が可能となります。システムエンジニアでなくとも、システムを利用するユーザーが直接開発に携われる手法となります。

ざっくり乱暴に言うと、ノーコード開発はシステムエンジニアでなくても制作可能という「手軽さ」がウケて話題になっているという感じです。

この手軽さから、ローコードはアプリ開発者を対象とし、ノーコードはビジネスユーザーを対象としているといっても良いかと思います。

ノーコード開発が注目されている理由の深堀り

ノーコード開発が注目されている理由については「手軽さ」だと言いましたが、その手軽さを深堀してみたいと思います。

開発スピードの向上

ノーコードツールを使用すると、開発者はアプリケーションの設計と構築を迅速に行うことができます。

これにより、アイデアを素早く試すことができ、市場投入までの時間を大幅に短縮することが可能です。

複雑なエンタープライズレベルのアプリでも数週間から数日で作成することが可能です。

コスト削減

ノーコード開発の最大のメリットは、コストです。

これまで要していた多くの手作業(作業工数)を大幅に削減でき、かつリリースや変更対しても圧倒的なスピード感で対応できます。

つまり、ビジネス面を考慮すると単純に製造コスト圧縮というだけでなく、収益面での改善が期待できますので非常にコストメリットが大きいといえると思います。

スタートアップ向けである

ノーコードツールは、開発者が少ない、または全くいないチームでもアプリケーションを開発できるため、開発コストを大幅に削減することができます。

ビジネス全体、ビジネスプロセス、ビジネスユーザーエクスペリエンスの要件を最もよく満たすアプリをスピード感を持って制作することができます。

その結果、アプリの機能性が向上し、ユーザーエクスペリエンスも向上できますので、低予算での開発向きであり、PDCAを素早く回せることも可能です。

メンテナンスとスケーラビリティの容易さ

ノーコードツールは、アプリケーションのメンテナンスとスケーラビリティを容易にします。

アプリケーションの重要な部分を手作業で変更するのは、非常に複雑で相当な時間・工数を要します。

ノーコードでは、直感的な操作で簡単に新しいロジックを実装することができます。

簡単な変更を実装するために 100 行ものコードを書く必要はなく、ノーコードソリューションではシンプルなプルダウンメニューを使うことができます。

これらのツールは、アプリケーションのバージョン管理とデプロイを自動化し、エラーのトラブルシューティングを協力に支援します。

これらの理由から、ノーコードツールはビジネス、特にスタートアップや中小企業にとって魅力的な選択肢となっています。

しかし、ノーコードツールも万能ではなく、複雑な機能やカスタマイズを必要とするアプリケーションの開発には限界があります。

そのため、ツールの選択はプロジェクトの要件によりますのでノーコードツールとコーディング、どちらのアプローチを選ぶべきかは、プロジェクトの目的、予算、時間枠、技術的な要件など、多くの要素を考慮する必要があります。

それぞれの方法には一長一短がありますので、適切なツールを選択することが重要です。

Bubbleの概要

いよいよBubbleのご紹介です。

Bubbleとは、「プログラミング知識がなくてもウェブアプリケーションを開発できるノーコードツール」です。

ユーザーは、ドラッグ&ドロップのインターフェースを使用して、データベース、ユーザーインターフェース、ロジックを設計できます。

Bubbleは、主にWebアプリケーションの開発に向いています。

「BtoC」のWebサービスや、会社の業務の効率化・自動化といった作業効率の改善を手助けする業務システム開発構築にも幅広く対応できます。

当社のいくつか事例で紹介すると、
・地域のハウスクリーニング事業者と、顧客をマッチングさせるマッチングサービス
・従業員の勤怠管理や給与計算を行う社内管理システム
などがあります。

Buubleは、ノーコードツールの中でも最も自由度の高いツールと言われています。

見た目のレイアウト作りといったフロントエンドからデータベース設計などのバックエンドまで幅広くカスタマイズすることが出来ます。

当社では、Figmaでデザインを起こして、それをクライアントに視覚的に確認してもらい、スピード感持ってBubbleで実装、組み上げして出してといったスタイルで業務を進めております。

尚、先述した通り、現在のところBubbleはWebアプリケーション開発がベストマッチするツールです。

ネイティブアプリ開発については拡張機能によって対応する形でしたので、ネイティブアプリ開発は弱いと言わざるを得ない状態でした。

しかしながら、先日Bubble側からネイティブアプリへの本格的な対応が発表され、2024年内には、Bubbleから直接App StoreやGoogle Playにアップロード可能になる方針も公開されました。

今後はネイティブアプリにも対応するノーコード開発ツールとして更に使い勝手が良くなるのではないかと思います。

Bubbleのメリット・デメリット

Bubbleで出来ること、出来ないことに近いですが、メリットデメリットもまとめて記載してみます。

【できること・メリット】

・ほとんどのWebアプリの開発(小規模から中規模クラスが得意)
・柔軟である・自由度が高い
・非常に安価にスタートできる
・環境構築不要(最高!)
・DB設計などのバックエンドの構築も簡単(最高!)
・デザイン性の自由度が高い
・ネイティブアプリ、PWAの開発(あまり得意ではない)
・レスポンシブ対応
・外部サービスとの連携(API)
・高度なセキュリティの設定

【できないこと(苦手含む)・デメリット】

・日本語非対応
・ノーコードといっても初心者には難易度が高い
・表示速度が速いアプリの開発
・SEO対策
・ゲーム系アプリの開発
・大規模なシステム構築
・AWSクラウドサーバー以外での使用
・HTML/CSS,JavaScript以外の実行
・AI開発ができない

もちろんこれ以外にもありますが、概ねこんなところです。

Bubbleセキュリティー面

Bubbleのセキュリティは非常に強力で、多くのセキュリティ対策が施されています。


以下に、Bubbleのセキュリティに関する主な特徴をいくつか紹介します。

SOC2・GDPRに準拠
Bubbleは、第三者機関によるセキュリティ有効性の保証である「SOC2」や、「GDPR (EU一般データ保護規則)」に準拠しています。

ただし、Bubbleで開発されたアプリが必ずGDPRに準拠するわけではありません。

AWS認証に準拠
BubbleはAWS (アマゾン・ウェブ・サービス)という世界で最も包括的で幅広く採用されているサービス上で構築されており、AWSの厳しい143個のセキュリティ標準とコンプライアンス認証に準拠しています。

AWSはSOC2、CSA、ISO 27001などの認定を受けています。

厳しい脆弱性テスト
Bubbleでは、自動化されたコード テスト、脆弱性テスト (OWASP Top 10 を含む)、および継続的な監視テクノロジーを使用しています。

ライバシールールの設定
Bubbleでは、アプリケーションのデータをアプリケーションレベルで保護するためのプライバシールールを設定できます。

Data APIの設定
Bubbleの管理画面から「Settings」→「API」タブを開き、「Enable Data API」にチェックが付いていないことを確認することで、Data APIの設定を正しく行うことができます。

上記のような対策により、Bubbleは高いセキュリティを提供しています。ただし、開発者自身も適切なセキュリティ設定を行うことが重要です。

例えば、これに加えて当社開発事例でも2段階認証などもスムーズに対応できましたし、Bubbleで採用されているCloudflareにて、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)のおかけで各種保護や検知についても対策できていることが確認できています。


また、データの暗号化なども当然なされているとはいえ、クレジットカード情報などStripeのような実績あるサービスに連携した方がいいです。

具体的な設定方法や詳細については、各公式ウェブサイトや関連資料をご覧ください。

尚、Bubble側も注意喚起のためにトピックを立ててます。

それぞれの方法には一長一短がありますので、適切なツールを選択することが重要です。

大企業がセキュリティ関連対策のために大規模投資しても防げない攻撃もあります。

最近では総合スーパー「ゆめタウン」を展開するイズミの社内システムがランサムウェア攻撃を受けました。

大手で難しいものが、小規模予算の事業者で実現することは難しいところですよね。

セキュリティ対策にも限界がありますので、リソースが限られる中でのサービス提供においては、Bubbleを使った方がよっぽど安心なのかもしれませんね。

ちなみに、イズミは事件後、社内のメールアドレスは、全て一新して運用していると風の噂で聞いています。

Bubble開発事例のご紹介

Bubbleで開発されたアプリケーションの事例をいくつかご紹介します。

当社開発のものは守秘義務契約の関係で掲載できないのでWebで拾ってきたものです。

Reachr

企業とインフルエンサーをマッチングさせ、コミュニケーション、資金管理、分析・レポート作成まで行うマーケティングプラットフォーム。

Beelango

新しい言語を習得するためのeラーニングアプリです。

AI writer

AI技術で1分でブログ記事の原案を丸ごと作成

ReMoCe

オンライン飲み会を楽しく気軽に、コミュニケーション活性化するMCを呼べるマッチングサービスです。

Freeat

広告で価値ある余剰食品を無料に

これらのアプリケーションは、Bubbleの柔軟性と多くの特性を活用して、様々なニーズに対応した機能が実装されています。

Bubble開発費用と保守費用

通常のwebアプリケーションの開発の場合、外注先の人件費や技術力、開発期間などによって変動します。

小規模アプリの場合でも200~500万円程度が多いかなと思いますが、中規模以上のWebアプリでは500万以上は費用が発生します。

Bubbleの開発費用については、Bubbleでは小規模アプリの開発はそれの半分くらいかなという印象です。

なので、小規模アプリであれば100~250万程度といった具合でしょうか。

ただ、機能やデザイン、作成画面数等で変動しますので目安とされてください。

開発工数については、小規模アプリであれば1~2ヶ月程度といったところです。

事前の設計書でどこまで詳細まで詰められているかによりますが、決め打ちの開発でなくとも、bubbleの特性を活かしてアジャイル開発でもスピーディーに構築・展開・修正の手順を進められるのも嬉しい特徴の一つです。

また、保守費用についてですが、そもそもBubbleを使うためには無償、有償含め5つのプランがあります。

 

Freeプラン:無料

Starterプラン:$29/月(年契約)、$32/月(月契約)

Growthプラン:$119/月(年契約)、$134/月(月契約)

Teamプラン:$349/月(年契約)、$399/月(月契約)

Enterpriseプラン:Bubble側に要問い合わせ

セキュリティ関連設定や、バックアップ期間等を考慮すると、Growthプラン以上がおすすめです。

規模が小さいうちはStarterプランでもいいかと思いましたが、結局なんだかんだで色々設定が必要になることが多く、Growthプラン以上が多いです。

プラン詳細については、Bubble公式の料金ページをご確認ください。

 

まとめ

今回は当社での開発実績の所感も入れつつ、2024年最新のBubble開発にかかる諸情報をお伝えいたしました。

Bubbleはまだまだコードにはかなわない部分もありますが、今後更なる進化が期待されるツールです。

ますます使いやすくなり、しかもWebアプリだけでなく、ネイティブアプリも構築しやすくなってゆくようなので要注目のツールです。

Bubbleを上手く活用することで、コストを最大限に削減してサービスをリリースできます。

皆さんも事業にBubbleをぜひとも取り入れてみてください。

最後に当社のPRをさせてください。

株式会社アスリエは「地域の明日を創造してゆく事業共創パートナー」をモットーに展開する、福岡市の人材とシステムの会社です。

BtoC、BtoBともに各アプリケーション開発/運用、中小企業様のDX化のサポートなどを行っております。

ノーコード開発では主にBubbleを使っての開発をお勧めしております。

社内、社外アプリケーション問わず、概ねBubbleで対応可能です。

企画からデザイン・開発、リリース後のマーケティングやサポートまでWebサービスやアプリの受託開発に関する相談、開発を承っておりますので、お気軽にお問合せくださいませ。

詳しく聞いてみたいという方は、お気軽にお問合せくださいませ。